発展途上国に柔道着を寄付した時の話

私はある県立高校で二年生の担任をした経験があります。高校二年生は2学期に柔道があります。しかし柔道の時期は意外に早く終わってしまいます。そして教室には柔道着が氾濫することになります。私は担任としてそんなに強制力のあるタイプではありませんので、「はよう、持って帰れよお。」と優しくゆる〜っく言っていました。しかし彼らは一向に柔道着を持って帰る様子はありませんでした。仕方なく私は発展途上国に寄付をすることにしました。平和公園の中にあるJICAと言う組織があるのですが、そこに20着の柔道着を持っていくとすごく感謝されました。これは素晴らしい国際貢献をしたものだなあと、我ながら持参していました。そしてある時、たまたまテレビで見たのですが、東ティモールで暴動が起きていました。それはコーヒー農園で働いている住民の人たちが、経営者に搾取されていると言うことで、民衆蜂起を起こしていました。そしてその中に柔道着を着ている人がいました。それは確かに自分が発展途上国に送った柔道着なのでないかと確信しました。柔道着の左の胸のあたりに「工藤」と大きく書かれていたのです。これは絶対に私が発展途上国に送った柔道着だと思いました。その人は、経営者に向かって、思いっきり、石を投げていました。